私の人生って何だろう。

最近物忘れが酷いアラフォーの人生ブログ。

ささやかな思い出。

前回の記事に現在パートナーがいると書いたけど1番最初の記事に恋愛に興味がないと書いてあるので矛盾を感じた人も居たかも知れない、今回の話を始める前に改めて補足。

確かに私は男性との恋愛や性交渉に興味がなく嫌悪しており恋愛感情も欠如している。

ところが今のパートナーは私を長年に渡って支えてくれた大切な『人間』である。

私も人間なので人間を思いやる気持ちを取り戻す事は出来た、少しずつだけど。

その過程において自分にとって人生で初めて幸せをもたらしてくれたと思えた人が彼女だった、人間愛と恋愛で言う愛情に近い物が両方あって家族愛のような感覚もある。

ただし私が長年そう言った関わりを避けてきたので今はまだ上手く表現出来ないと言う事と、本当はもう少し後に話そうと思っていたのでタイミング的にごちゃごちゃになってしまった事は申し訳なく思います。

 

さて今日はヤマトと別れて援交しながら家出少女になった後、地元を離れて繁華街に赴くちょっと前の話。

 

恐喝で家に戻って呼び出し状が来るのを待つ間に結構な間があった、3ヶ月はあったんじゃなかろうか。

家に戻ってからすぐ中学を卒業するんだけど高校には殆ど行かなかった、行きたい専門学校には推薦で受かったけど行かせて貰えなかった。

家計はギリギリなのに私と姉はちょうど3つ離れていて私が高校入学の頃、姉は大学入学。

お金のかかる私立高校に無理して推薦入学したのも姉で、大学にも推薦入学した。

私の専門学校の学費は当然出ないし親は私になんの期待もしていなかったので、専門学校は諦めて公立に行くしかなかった。

やりたい事が出来ないなら働こうと思ったけど通える学区ギリギリの所に自分の望んでいた専門科のある公立があった、そこに入学したものの望んでいた授業内容とはおよそ程遠いものだった。

学区ギリギリのため、往復4時間かかり朝は5時半過ぎにチャリで最寄駅から電車に揺られた。

せっかく行っても公立だから国で決められたある一定時間の普通授業がある、むしろ一日の大半は理数国英社みたいな超普通の勉強で自分が学びたい専門的な授業は一日に1〜2回と言う事実には心底落胆した。

それで段々学校には行かなくなってとんかつ屋でバイトを始めた、初めての給料日には父が待ち構えていて全部取られたのを覚えている。

借金の返済が足りないからとバイトを始めた事を知ると手ぐすね引いて待っていた。

そんな時バイト先のハラダと言う3つ上の男と仲良くなって、シンナーを吸ってはセックスをすると言うロクでもない間柄がしばらくだけ続いた。

ハラダも複雑な家庭で育った、仕事にはちゃんと来たけど私が複雑な家庭環境にある事もすぐに見抜いた。

お互い傷を舐め合うだけの関係でシラフで抱かれる事はない、私は抱かれたらその気になってハラダを好きだと思うようになった。

会うのはいつもバイトの後で車でシンナーを買いに行ってハラダに抱かれる。

朝が来ると風呂に入り身支度を整えて別れる、好きと言ってもハラダは何も言わなかった、いつも何かとはぐらかされた。

ヤマトのすぐ後で寂しかったのもあるし、適当に処女も捨てたから好きな人に抱かれていると言う気持ちを感じたかったのもある。

 

ある日珍しくバイトのない日に呼び出されて私たちは初めてシラフで会ってデートした。

その後はどうせシンナーでも吸うんだろうと思っていたら、初めて部屋に呼ばれた。

ハラダの家には驚くほど何もなく居間の真ん中にカーペットと小さなテーブルがあるだけだった。

するとハラダは実は私がバイトに入った頃ハラダの両親が離婚する事になって、ハラダは母に着いて行く事が決まっていたため遠くに越さなくてはならない決まりだったと明かされた。

いつもいつも言おう言おうと思っても言えず、ついに明日引越しの日が来てしまったと。

好きだと言ってくれる度に自分もだと答えたかったけどどうせ遠くへ行く自分に、何が出来るのかと思うと言い出せなかったし気持ちにも答えてやれなかったと。

 

私たちは初めて、シンナーも酒も飲まず普通の男と女として抱き合った。

必ず向こうについたら連絡するからと。

一生懸命仕事を探して必ず迎えに来るからと。

 

ハラダはそう言って次の日私の前から消えてしまった、父は私のバイトの給料日を待っている。

支えだったハラダもいない、働いてもお金は一瞬で持って行かれてなくなってしまう。

父の搾取は援交を始めたきっかけでもあった、あとはハラダの引越し先の地図を見てあまりの遠さに毎日泣いた。

定規で測ればたったの数センチなのに、現実の距離はなんと遠い事か。

連絡があったら会いに行く為にもお金を作りたかった、汚いおっさんに抱かれていても天井さえ眺めていたらいつのまにか終わる。

何も考えないでただただハラダからの連絡を待った、2ヶ月待ったけど連絡はこなかった。

 

そうか、ハラダのあの美談は作り話で私とは遊びだったのかも知れないと思い始めた。

最初は新しい土地で不慣れな事もある、お母さんの事や仕事探しもある、そう思って渡された番号にかけられなかった。

でももしかしたら、ヤマトのように私は2番目か3番目だったのかも知れないと思うようになり、一度勇気を出して電話したけど電話には出なかった。

2ヶ月経った翌日、ホストにハマっていた子からたまには遊ばないと!と言われてその子が連れて来た男の子達と遊んだ。

その中のホストのリョウタに付き合ってよと言われて当然好きでも何でもないけどOKした。

とてももうハラダを待てなかった、高校はもうすぐ夏休み。

ホストクラブには一度も行った事もない私がホストと付き合う事になる、このリョウタは私を文字通り『閉じ込める男』となる。

 

不幸な事にリョウタと付き合う事になった次の日、ハラダから連絡があった。

神様の悪戯はいつだって残酷である。

 

私は「彼氏出来たから…」と言った。

ハラダは「そっか、よかったな…幸せにしてもらえよ」と言った。

 

待ってられなくてごめんと言うとハラダは良いんだと言った、田舎での仕事探しと下宿探しに苦労したそうだ。

胸が痛かった、今思えばたったの2ヶ月くらい何故待てなかったの?と思う。

 

今でもたまに思う、あの時待っていたらどうなったのかと。

そんな事思うだけ、無駄なんだけど。